こんにちは、きのこです。1月に中国でHSK3級を受験したのですが、無事に合格しました。
折角なのでHSK3級の勉強時間、勉強方法、使用したテキストを紹介したいと思います・・・が、実はあんまり勉強してません;
「4ヵ月留学したら一から勉強してこれぐらい中国語力が伸びたよ」という一つの目安、これから留学を検討している人の参考になればと思います。
- HSK3級の日本人平均スコアは、聞き取り:80.93、読解:86.13、作文:74.85、総得点:241.91点。
- HSK3級過去問題は、公式サイトからもダウンロードできる。
- 筆記試験に比べてネット試験はマーク時間を短縮できる一方、ピンイン入力しかできないため、ピンインが分からないと解答できないことも・・・。
Contents
HSKとは?中国語検定との違いは?各級の比較
【1】HSKの概要
数ある中国語検定の中でも、HSKは中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関である「孔子学院总部/国家汉办」が主催し、中国政府が認定する資格です。(主催団体は、中国政府教育部 孔子学院总部/国家汉办)
そのため、HSKの成績報告は、中国国内だけでなく、日本国内、そして世界中で公的証明として活用することができます。引用:HSK公式
【2】HSKと中国語検定の違い
ちなみにHSKと中国語検定の違いについて、HSKの公式サイトで以下のように説明がありました。
【HSKと中国語検定の違い】
HSK | 中国語を用いたコミュニケーション能力の測定に特化。より実用的な中国語能力が求められる |
---|---|
中国語検定 | 中国語の正確な知識を問う問題が出題。日本語と中国語の相互翻訳力が求められる |
参考:HSKと中国語検定で求められる能力の違い(HSK公式)
【3】HSK各級の紹介
簡単にHSKの各級のレベルと大体の勉強時間、必要語彙量をまとめてみました。英検と違ってHSKは、6級が最上級で一番難しい内容となります。
【HSK各級の紹介(1)】
6級 | 意見などを口頭や書面で表現できる 語彙量:5000語 |
---|---|
5級 | 中国語でスピーチできる。主に週2~4回の授業を2年間以上。 語彙量:2500語 |
4級 | 中国語を母語とする者と話せる。大学の第二外国語における第二年度後期履修程度。 語彙量:1200語 |
3級 | 基本的なコミュニケーション。第二外国語における第二年度前期履修程度。 語彙量:600語 |
2級 | 初級中国語の上位レベル。大学の第二外国語における第一年度履修程度。 語彙量:300語 |
1級 | 日常中国語の応用能力を判定。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。 語彙量:150語 |
(1)HSK6級~3級…聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価。6割(基準点:180点)以上のスコアで合格。
HSK2級~1級…聞き取り、読解の配点はそれぞれ100点、合計200点で評価。6割(120点)以上のスコアで合格。
参考:HSK各級の一覧表(HSK公式)
実際のHSK受験の体験談
私のHSK3級の総得点を公開します。また他の日本人受験者との得点比較、他の国籍受験者との得点比較もあったのでその結果も参考までに載せておきます。
中国語版:HSK公式
【4】HSK3級の総得点を公開
【HSK3級の試験内容】
聞き取り | 40題/35分 |
---|---|
読解 | 30題/30分 |
作文 | 10題/15分 |

HSK3級の合格点は180/300点以上からなのですが、261/300点で無事に合格しました。
中国語の中で聞き取りが大の苦手なのですが、一番点数が低かったです・・・今後の課題ですね;
【5】今回のHSK3級の日本人受験者の点数との比較結果

- 赤の棒グラフ → 私の試験結果(87%)
- 青の棒グラフ → 他の日本人受験者平均スコア(80%)
めちゃくちゃ便利なんですが、同じ国籍の人との試験結果の比較分析がありました。しかも無料。これは本当にうれしい。
ちょっと文字がバグってますが、「今回のHSK3級受験者」、「同じ国籍(日本)」の受験者との得点差の比較です。
作文(書く)と読解(読み物)で日本人受験者の平均よりも上回っていますが、苦手の聞き取り(聴覚)で平均を下回っています。今後は、聞き取りを重視して勉強する必要があります。ただ総得点では、平均を上回っていたのでこちらは少し安心しました。
【6】今回のHSK3級の他国籍受験者の点数との比較結果

- 赤の棒グラフ → 私の試験結果(87%)
- 青の棒グラフ → 他国籍受験者平均スコア(75%)
他国籍受験者との平均スコアの比較では、すべて平均を上回ることが出来ました。中国語は同じ漢字圏ということで、他国籍の方に比べて点数がとりやすいのかも・・・。
ついでに、日本人受験者と他国籍受験者の比較表も作ってみました。
【日本人受験者と他国籍受験者の比較】
日本人平均スコア | 他国籍平均スコア | |
作文 | 74.85 | 79.42 |
聞き取り | 80.93 | 73.16 |
読解 | 86.13 | 73.66 |
総得点 | 241.91(80%) | 226.25(75%) |
ちょっと意外な結果なのですが、作文で他国籍平均を下回っています。私の予想では、「読解と作文が平均を上回って聞き取りが下回るのかな~」と何となく思っていたので予想外でした!
【7】HSK3級の勉強方法、勉強時間、使用テキスト
あんまり書くことないんですが、勉強は本当にしてないです・・・というのも、大学の学期末テストの期間とちょうど重なっていたのでそっちの勉強を優先していました。
先生が、「授業で習った内容はHSK試験とも重なっているから講義のテキストをやればOK」と言っていたのも理由としてあります。
HSKの勉強は、試験の3日前ぐらいからしか始めていません。勉強時間は大体5時間ぐらい。一応テキストは、HSK3級の公認テキストと3級過去問題集を買いました。公認テキストをパラパラと読んで文法をチェック、過去問を1回だけ解きました。
あと試験前にHSK公式サイトのレベルチェックテストでは、97/120点をとっていました。こちらは無料で出来るので、まずは腕試しで受けてみると良いです。過去問題は、公式サイトからもダウンロードできるのでおすすめ。テキストと過去問題集って結構高いですからね。
HSK試験に向けてほぼ勉強はしていないのですが、普段から平日は毎日3~4時間授業+予習復習1時間を4ヵ月間欠かさずしていました。
【週の授業の配分】
Reading | テキスト+文法…90分×週3コマ 単語…90分×週3コマ |
---|---|
Writing | 漢字の書き取り…90分×週1コマ |
Listening&Speaking | 90分×週3コマ |
私は大学の中国語クラスの中で最下位のクラスにいますが、普段の勉強だけで合格できたので留学すると、覚える量が圧倒的に違うんだなと改めて実感。
留学前の2018年3月にHSK2級を受けた時は、120点で合格のところ124/200点でギリギリの合格だったので、留学すると本当に語学力が付くと目に見えて感じています。
あと大学の中国語学習クラスの中でも本当に一番下のクラスなので、漢字の書き順を習うWritingの授業が週1回あります。このクラスでは、警察や学校等の書き順を習っています・・・。
【8】HSKネット試験のメリットとデメリット
私が受けたテストは、筆記試験ではなくネット試験(コンピュータ)になります。
試験会場では、隣の受験者との間に透明のアクリル板の仕切りがあり、鞄は教室の前に置くように指示されました。机の上には、パスポートと受験票を置くように言われ、それ以外はすべて前の鞄にしまっておくようにと案内がありました。
試験内容は筆記試験もネット試験も同じ内容です。
HSK2級→筆記試験、HSK3級→ネット試験を受験したので、ネット試験のメリットとデメリットをまとめてみました。
- ネット試験はヘッドホンなので、リスニングの聞き取りがしやすい
- 筆記と違ってマークシートにマークする時間がほぼ必要ない
- 作文でピンインを入力すると、勝手に予測変換される(多分ほんとはダメだと思います)
ネット試験の一番のメリットは、マークする時間が短くてすむことだと思います。マウスでぽちっと選択肢を選ぶだけなので便利ですね。その分、解答を考える時間に充てられるのは有難いです。
あと、私のネット試験会場だけだったのか、他のネット試験会場も同じなのかわからないのですが、ピンインを入力すると予測変換されました。パソコンや携帯で文字を打つと予測変換で出てきますよね、あれです。
どういうことかというと、例えば下のHSK3級の作文問題。
出典:HSK3級(2019/2/16)
ピンイン入力でmingって入力すると予測変換で〈名字(Míngzì)〉って変換された候補が表示されました。あと試験で、「(Niú)奶」って作文があってniuってピンイン入力するとこちらも予測変換された〈牛奶(Niúnǎi)〉が表示されました。
こうしてみると3級は筆記試験と比べてネット試験の方が予測変換が出来た分、若干有利な感じがしますが・・・私の試験会場だけなのか他の試験会場もだったのか・・・。
- 他の級の受験者と同じ試験会場のため、試験終了時に会場が騒がしい
- ピンイン入力しかできない。手書き入力ができないため、漢字は書けるのにピンインが分からなない場合は解答できない
気になった点として、ネット試験は他の級の受験者も居たことです。級によって終了時間が異なるため、試験が終わった級の人の退室時に室内がザワザワしていて少し騒がしかったです。長時間試験の人は騒音で、集中力が途切れてしまうかもしれません。
あと、ピンインについては予測変換が出来るメリットもある一方、人によってはデメリットにもなるかな。中国語は日本語と同じ漢字も多いため(例えば学校、警察、交通など)多くの人が漢字を書くことが出来ます。
ネット試験ではピンイン入力しかできないため「漢字は書けるのに、ピンインを度忘れしちゃった!」って場合は、不利になります。
ネット試験にするか、筆記試験にするか、こちらは一長一短といったところでしょうか?
まとめ
- HSK3級の日本人平均スコアは、聞き取り:80.93、読解:86.13、作文:74.85、総得点:241.91点。
- HSK3級過去問題は、公式サイトからもダウンロードできる。
- 筆記試験に比べてネット試験はマーク時間を短縮できる一方、ピンイン入力しかできないため、ピンインが分からないと解答できないことも・・・。
中国に留学して4か月余りでHSK3級に合格することが出来ました!
会話では、あまり聞き取ることが出来ないので「本当に中国語力が付いているのかな~」、と不安でしたが3級の合格は自信に繋がりました。ただ、中国人とコミュニケーションが取れるかというとまた別だと思いますが・・・。次回は4級、5級と級をあげてHSKに挑戦したいと思います。
留学前腕試しに受けたHSK2級の試験でギリギリ合格だった私が、留学後のHSK3級の試験では大きく合格点を上回ることが出来ました。この記事が、これから中国に留学しようか悩んでる人、留学して中国語がどれぐらい伸びるのか知りたい人の参考になれば良いな。
これからHSKを受験するこの記事を読んでいる皆さんが合格しますよに!
それではまた次回の記事で。
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